門扉やフェンスの支柱|ロートアイアン・アルミ製柱の種類と施工方法
支柱とは?基本構造と役割
門扉やフェンスの「支柱(柱)」は、構造全体を安定させるための最も重要な基礎部材です。門扉やフェンスの重量や風圧、使用時の力を支えるだけでなく、設置された建物や外構デザインに調和した意匠性も求められます。
支柱が担う機能
支柱の主な機能は次の3つに分類されます。
構造の支持
門扉やフェンスの荷重を受け止め、地面へ安定して伝える役割を果たします。とくに開閉式の門扉では、ヒンジ部分に大きな荷重がかかるため十分な強度が求められます。位置の固定
支柱は門やフェンスの位置を正確に保持し、経年によるズレや歪みを防ぎます。特に長期設置を前提とした場合、施工場所の下地状況や施工精度が重要です。デザインの一部としての役割
支柱は構造物であると同時に、門扉やフェンス全体の印象を左右する装飾的要素でもあります。キャップやベースの装飾、素材感などにより、高級感や統一感を演出できます。
門扉やフェンスの荷重を支える仕組み
門扉やフェンスにかかる荷重は、重力による自重だけでなく、開閉による動的負荷や風圧などの外力も含まれます。これらの荷重はすべて支柱を通じて地面に伝達されます。
門扉の場合:
開閉の際、蝶番(ヒンジ)に強い負荷がかかります。これを片側の支柱で支えるため、基礎との接合部(アンカー・埋込部)に特別な配慮が必要です。フェンスの場合:
全体に渡って均一に荷重がかかるため、一定間隔で配置される支柱がフェンスパネルのたわみ・倒れ防止の役割を果たします。
支柱の材質・太さ・設置方法により、荷重の分散・吸収の仕方が変わりますので、設置条件や設計目的に応じた最適な選定が求められます。
支柱の形状とサイズ
門扉やフェンスに使用される支柱は、用途やデザイン、施工方法に応じてさまざまな種類があります。このセクションでは、標準的に使われる既製素材と、意匠性の高い装飾系柱に分けて、それぞれの特徴と使い分けについてご説明します。
スタンダード素材(既製品)
量産性や施工性を重視した現場では、流通している既製の鉄鋼材料を支柱として使用するケースが一般的です。特に以下の3種が代表的です。
角パイプ(角柱):門扉・フェンスの標準支柱
門扉:□100mm角、フェンス:□40mm角が主流
丸パイプ(丸柱):フェンス支柱向け
やわらかな印象のデザインフェンスなどに
FB(フラットバー/平板):フェンス支柱向け
スリムな印象のシンプルモダンフェンスなどに
門柱など強度が必要な場合
門柱などの場合は中に補強材を入れ内部補強する事で強度を上げる事が出来ます。
装飾系柱
装飾系柱は、支柱に装飾性と存在感を持たせたい場合に使用されます。門扉やフェンスに調和させながら、デザインの一部として支柱自体を引き立てることが目的です。
装飾柱(装飾パーツ付き)
一般的な支柱に、装飾キャップ・リング・脚部ベースなどを組み合わせた仕様
装飾柱(既製品)
あらかじめ装飾が施された、デザイン性の高い親柱用素材
特注柱(オーダーメイド)
柱そのものをゼロからデザイン・製作する完全オリジナル仕様
支柱に使われる装飾パーツ
支柱は構造部材であると同時に、門扉やフェンス全体の印象を左右する意匠要素でもあります。装飾パーツを組み合わせることで、高級感・統一感・個性を演出できるため多彩な装飾部材をご用意しています。
ぎぼし・擬宝珠
「ぎぼし(擬宝珠)」は、日本の伝統的な装飾要素で、神社仏閣や和風建築などに見られる装飾柱の頂部飾りです。現代住宅や和モダンデザインに合わせた洗練されたぎぼし型キャップも製作可能です。
柱キャップ(頭部飾り)
柱キャップは、支柱の最上部に取り付ける装飾パーツで、支柱の断面保護と意匠性を両立させる役割があります。シンプルなものから、クラシカルな球状・尖塔型・王冠型など多彩なデザインをご用意しています。
ベースカバー
ベースカバーは、支柱の根元(基礎と接する部分)を美しく覆うための装飾部材です。ベースプレート式の支柱に多く使われ、アンカーボルトや溶接跡などを隠しながら全体の仕上がりを整える役割を果たします。
□ FINIAL|擬宝珠(ギボシ)
擬宝珠(ぎぼし、ぎぼうしゅ)は建築物装飾で柱の上につける飾りの事を言います。別名「葱台(そうだい)」とも呼ばれる。擬宝珠が取り付けられるのは親柱が一般的で、「宝珠柱」と呼ばれます。
□ POST CAPS|柱キャップ
柱キャップは、建築物やフェンスの柱の上部に取り付けられる装飾的なカバーやキャップのことを指します。柱キャップは、柱の保護とともに美観を向上させる役割を果たします。特に、門扉やフェンスの柱に取り付けることで、全体のデザインを引き締めるアクセントとなります。
□ BASE COVERS|ベースカバー
ベースカバーは、柱の根元部分に取り付けて美観を整える装飾パーツです。取付部の金具や溶接跡を隠しながら、足元に重厚感や安定感を与える役割も果たします。デザイン性と仕上がりの質を高める細部へのこだわりとして、多くの施工現場で採用されています。
支柱の施工方法
支柱は、門扉やフェンス全体の安定性を左右する基礎構造部です。設置方法には大きく分けて「埋め込み式」と「ベースプレート式(アンカー固定)」の2種類があり、現場の状況や土質、構造要件によって選択されます。


埋め込み式
支柱を地中に直接埋め込みコンクリートで固定する最も一般的な施工方法です。新設工事や十分な地中スペースがある現場で多く採用されます。


ベースプレート式
支柱の下部に金属製のベースプレートを溶接し、それをアンカーボルトで基礎に固定する方法です。既存のコンクリート基礎や土間コンクリートにも対応。




壁固定(耳金具等)
既存の擁壁やブロック塀などに、L型金具(耳金具)を使って支柱を直接固定する方法です。主にフェンス支柱や軽量な部材の固定に用いられます。
支柱の強度・耐久性に関する考え方
支柱は外構製品全体を支える重要な構造部材であり、設計段階から十分な強度と耐久性の確保が不可欠です。特に、ロートアイアンやアルミ製の門扉・フェンスは長期使用を前提とするため、風荷重や振動、地盤条件に対する対策が求められます。
風荷重・振動への対応
日本国内の多くの地域では、台風や強風に耐える設計が求められます。特に門扉は開閉による動的荷重と、常時かかる風圧荷重の両方に対応する必要があります。
支柱の断面寸法・肉厚・埋込深さなどを設置環境に応じて選定
高さ1m以上のフェンスや門扉には、風荷重計算に基づく支柱強度設計が推奨されます
溶接・固定構造の工夫
支柱の強度は、施工方法だけでなく、金属加工の段階でも左右されます。
以下のような溶接や固定構造の工夫により、耐久性と安全性を両立させています。
ベースプレート式では、プレート厚み・アンカーボルト径・本数を設計に応じて調整
溶接後の**防錆処理(メッキ+焼付塗装)**を徹底することで、腐食による劣化を防止
良くある質問|FAQ
支柱に関する疑問や質問など
お客様から寄せられる、門扉やフェンスの支柱に関するご質問の中から、特に多い内容をまとめました。素材の選び方や耐久性、施工方法など、導入前に知っておきたいポイントをわかりやすく解説しています。
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柱の台座サイズは?サイズ指定やビス穴の径の指定できますか?
一般的に80~100mmとなります。サイズやビス穴径の指定可能です。
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柱にインターフォンを設置したいが可能でしょうか?
はい、 ご希望のインターフォンが設置できるよう加工可能です。
持ち込みの場合は実物を弊社組立て工場にお送りいただく必要が御座います。組込テストしてお届けいたします。 -
柱を埋め込んで施工する場合、埋め込みサイズは?
サイズや扉重量により通常500~600mm(小型軽量の場合は300~400mm)ほど埋め込んで頂くのが一般的となります。
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室内フェンスの一般的な取り付け方法は?
台座付き柱を使用して下方向にビス止め固定、はめ込みの場合はフェンス枠のビス穴で壁固定などがございます。
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スターティングポストってなに?
階段手摺のスタート部分を立体的な柱の事で螺旋階段などによく見られます。
フォージマン|その他の情報
装飾パーツの種類や対応サイズ、支柱との組み合わせについてのご相談も承っております。カタログ資料やサンプルのご請求は、お気軽にお問い合わせください。







階段手摺のスタート部分を立体的な柱の事で螺旋階段などによく見られます。












